Trees
Interactive sound installation
Review
Introduction
2021年2月、「Trees」と題してKOGGANEI ART SPOT シャトー2Fにてサウンドインスタレーション作品の展示を行いました。
センサーと筒状縦型スピーカーを使ったインスタレーション作品で、新型コロナウイルスの影響で外出を制限された1年間にArduinoを使ったプログラミングを学び制作。
光、色、温度、距離など見えない物、人と人の交わり、変化する時間や環境を養分として吸い上げ音が枝葉を伸ばし作品が成長していく様から「Trees」とした。
2020年春に自分のフルートの音を使った音楽制作用のサンプリングソフトウェアをNot bad fluteとして自作、プログラムを組みソフトウェアだけで完結したものを一つ作り上げ、
今度はセンサーなどハードウェアを交える事で自分の表現活動にも繋げていけるのではないかと構想を広げた。
ライヴについてもウイルスの飛散防止にとビニールシートを張ってまで演奏する気にはなれず、配信も良いがなんとか体験という形を作りたいと考え展示を開催する形に辿り着いた。
使用したArduinoというシステムはイタリアで生まれたものでマイクロコンピュータ、所謂マイコンのプログラミングを比較的容易に、C言語を用いて可能にした物。
作品を紹介しながらこの展示を振り返り、また制作過程、ソースと回路図も公開し自分と同じ様な所でつまづいている方の助けになることを願います。
Speakers upward
木に聴診器を当てると「水を吸い上げる音」を聴くことができる、この話を初めて聞いてワクワクした幼少期の記憶に着想を得て制作したスピーカー。
大きな木をギャラリーの中心に立てる」という構想を発展させ、「木の内部に入り込む」イメージを作品化。
Resonance, distance
横向きに置かれた2本の筒が距離センサーで4方向の動きを察知して音に変換。
会場内を歩いていると自然と音が増えていき、会場から人がいなくなり動きが無くなると流れる音数は少なくなっていく。
適度な距離がなければ反応せず、操作しようと皆が躍起になると黙り、放っておくとよく音が鳴りまるで生き物のように振舞ってくれた。
Light, colors, waves
壁に設置したカラーセンサーとCDSセルから色と光の強さを読み取り音に変えていく。
主に和音を鳴らすように設定をし、カラーセロハンと会場の照明で影絵遊びのようにしながら音の変化を追うようにした。
どの色がどの音に反応しているのか皆集中して探っている様子が印象に残った作品。
Live streaming on Zoom
ビデオ通話ソフト「Zoom」を使い配信と、通話画面を使って展示作品に参加する事も可能にした。
カラーセンサーを設置した壁に通話画面をプロジェクターで投影し、その映像から会場の音が変化する仕組み。
マスクを外して会話するのは画面越し中心になり、伝える声は大きく言葉は一層強くなる。
画面越しの非言語コミュニケーションを目指したアイデア。
Afterward
今回の作品では来場者は強制的に音へ関わる事になり、客ではなく演者側になる。会場の音に関与しないという事はあり得ず、そこにいるだけでなにかを発信する。
演者と客という境目を無くし皆がステージの上にいるというのが理想形で、それに近づく事が出来たのではないかと思う。
今回初めて展示というスタイルで活動を行い沢山の刺激がありました。
普段ミュージシャンとして演奏をするときは一日一つの会場で演奏をし、また次の日は違う場所へとなるのが通常で、
同じ場所で一人、一週間同様のパフォーマンスをし続けるというのは非常に新鮮な体験でした。
食い入るように作品を見ている人、久しぶりに会う友人、隣のカフェから流れてくる人、通常のライヴと違い時間に余裕がありゆったり来場者と話せるのは良かった。
大きな機材トラブルは無かったものの初日、配信の中でZoom bombingなるスパムに度々侵入されメールでURLを送り返す様にやり方を変え改善。
来場者の反応を見て、感想を聞き毎日アップデートを繰り返し作品は成長を続け、自分の手を離れていく感覚があった。
Donations
この活動に対しての皆様からのチップ、ドネーションを歓迎します。
PaypalやPringを使った送金、Bandcampでの音源購入など、サポートお願い致します。
Donations and tips are welcome.
Sending via Paypal or pring, purchase my music on Bandcamp can help my project.